日本の軍隊

日本の軍隊―兵士たちの近代史 (岩波新書)

日本の軍隊―兵士たちの近代史 (岩波新書)

軍隊と社会の関係、「天皇の軍隊」の民衆的基盤と呼ぶべきものの実態の解明、近代化の推進力であったはずの軍隊がなぜ十五年戦争期の「皇軍」のような、非合理主義的で精神主義的な硬直した軍隊になってしまったのかという視角から論を進める。
軍隊は確かに近代化の推進となった。現在の生活を形作っているものの幾つかは軍隊に由来があるようだ。
結論として軍隊の中でには日本の近代化が凝縮されているとしている。
あとがきも示唆的で、日本の兵士たちが、否応なしに担わされていた「歴史」や「社会」の重みを重視していると述べている。
このような視点はより広く歴史的・社会的文脈で考察するために必要である。