不可能性の時代

不可能性の時代 (岩波新書)

不可能性の時代 (岩波新書)

「虚構の時代」の後の現代を「不可能性の時代」とする。
この時代の現実を秩序づける根拠となっているのは、認識と実践から逃れゆく「不可能なもの」である。現代の現実を秩序づけている反現実は直接には見えていない「不可能性」である。「不可能性」とは〈他者〉である。人は〈他者〉を求めている。と同時に〈他者〉と関係することができず、〈他者〉を恐れいている。〈他者〉こそ、〈不可能性〉の本態ではないだろうか。