ジュラシックパーク

動物は好きですよ、ええ。


南京事件 (岩波新書)

南京事件 (岩波新書)

都留文の友人が著者のことを教えてくれたので読んでみた。
新書の割には資料が多く、多少読みづらいものがあったが、
南京に関するものとして、自分が読んできたものの中では、
最も凄惨な現場を表わしていた。
ここに書かれていることが全て事実ならば、
「ザ・レイプ・オブ・ナンキン」と呼ばれることも
うなずける。
著者が南京事件にこだわる理由は何なのか。
「南京」を安易に扱うと、「国家と個人の同一」
になりかねない。


もう一冊。

未来派左翼〈上〉―グローバル民主主義の可能性をさぐる (NHKブックス)

未来派左翼〈上〉―グローバル民主主義の可能性をさぐる (NHKブックス)

まだ上のみ。
ネグリの話は難しい。
理解できていない部分も多々あったが、それでも得ることはあったと思う。
国民国家について、「現在は経済レヴェルでの同化吸収と地域ごとの賃金の力学が
働いているのであり、これらを考慮しないような研究は何の役にも立たない」
という箇所があった。
「○○人」という言い方に違和感を感じていたが、この箇所は何かその違和感の解決への
ヒントを与えてくれそうだと思った。「何の役にも立たないと」ことはないとは思うが。
ここの文言での問題は「地域」の定義と、その境界線である。
単純に国境で線引きをしていいものか。
その国が本籍ではない「外国人」の「生産力」をどう考慮するのか。
下巻も楽しみであるが、<帝国>も読んでみたい。